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首都圏外郭放水路(地下神殿)に行ってきた

gaikaku.jp

冬の某日、埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路へ行ってきました。

 

見学の予約は公式サイトからでき、コースは4種類あります(うち一つは休止中)。

今回筆者は『迫力満点!立坑体験コース』(¥3,000、所要時間110分)を申し込みました。

 

現着。

 

目の前の建物で受付。

 

同意書。
「階段100段歩けるよね?」「係員の指示は絶対」「スマホやカメラ落としたら救出不可」といった内容。

右上にある青いシールは、見学者だと分かるようにするためのもので、その場で肩か胸の辺りに貼ります。

 

ダムカード

 

受付後、2Fで『首都圏外郭放水路』の概要や仕組みについてパネルを使った説明を聞きます。

埼玉県の中川・綾瀬川流域(上の写真の赤枠内)は利根川,江戸川,荒川に囲まれたお皿のような低い地形で、また河川の勾配が緩やかで水が流れにくく、洪水被害を軽減するために首都圏外郭放水路は作られたとのこと。

5つの河川(大落古利根川,幸松川,倉松川,中川,18号水路)の水を施設に取り込み、江戸川に排水します。

 

画像引用:首都圏外郭放水路はどんなしくみ? | 江戸川河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局

 


中央操作室。

 

 

一通りの説明を聞いた後、外へ移動し、いよいよ調圧水槽へ。

ビル5,6階分の階段を下ります。
下りる最中は危ないので撮影NG。

 

うお…でっけ…

 

調圧水槽は、長さ177m、幅78m、高さ18m。
コンクリートの柱は、幅2m、長さ7m、高さ18m、1本500トンで、59本立っています。
この様子がパルテノン神殿を想起させることから『地下神殿』と言われています。

高さ18mと言われるとガンダム連想しちゃうんな…。

 

この奥に向かって水が流れ、江戸川に排水されます。

 

振り返ると第一立坑
下から水が上がってきて、調圧水槽に流れ込んできます。

 

洪水の時には水だけでなく土砂も流れ込んでくるということで、ブルドーザーを使うそうです。このときブルドーザーが第一立坑に落ちないように車止めがあります。

ブルドーザーは調圧水槽の天井(写真中央部)が開いて、クレーンで降ろして搬入するらしい。

 

柱のひとつには目盛りが書いてあります。
さきほどの中央操作室からこの目盛りを監視して、排水を制御するそうな。

柱の色がグラデーションになっているのは、それだけこの調圧水槽に水が溜まったことがあるということですね。やばい。

 

この施設は年平均7回稼働しており、これまでに最も多く水を取り込んだのは鬼怒川の堤防も決壊した2015年9月の台風17,18号のとき。
その際は約1,900万立方メートルの水を貯めて数週間に分けて江戸川に排水したとのこと。

この施設が無かったら、中川・綾瀬川流域は沈んでたんじゃなかろうか…。

 

調節水槽の中は気温は、冬で9℃くらい、夏で20℃くらいだそうな。

 

定刻になり、階段を登って地上へ戻ります。

 

 

次は第一立坑の見学。
ヘルメットとハーネスを装備して、地下へ潜ります。
こちらも階段を下りている最中の撮影はNG。

階段の3分の1くらいまで下りた踊り場で順番に見学&撮影。

第一立坑は、内径31.6m、深さ71m。

 

引き返して、キャットウォークへ。

壁沿いのレールに命綱を通して進みます。
なかなかスリルあるな?

やたらゴーって音がすると思ったら、地上でスケボーしてる音が響いてるだけという。

 

吸い込まれそうな恐怖感。

でも、高さで言えば竜神峡バンジーの方が高かったしな! まあ手汗止まらんけど!

キャットウォークをぐるっと回って、ぬるっと見学終了。

 

 

あっという間の110分でした。

非日常な空間だけど、この施設のおかげで日常生活が守られてるのはめちゃくちゃ面白かったですね。
このスケール感はビビる。

各種特撮やMV撮影で使われてたりするので聖地巡礼需要もあるとか。

なお、施設の目的上、天候によって見学が中止になる可能性があります。
その辺りを考慮すると雨の少ない時期の方が良いかと思います。